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記楽庵

rungaina.exblog.jp

人の心

皆様。
地震発生後すぐから今に至るまで、
数々のご心配の電話、メール、コメントなど心から感謝致します!

11日はライブの予定で朝から出ていました。
13時からライブハウスでリハをし、
本番までの空き時間が長かったので港区辺りを車で移動をしている時に、
今回の地震に遭いました。

かなり強烈な、そして長い長い揺れで、
都心のど真ん中で首都高の高架の真下。
尋常じゃないぐらいに揺れて曲がる目の前の道路標識や信号、電柱。
波打つ道路。
人生で二度目の「今この場で、このまま死ぬかもしれない」が頭をよぎりました。
一度目は阪神大震災の時です。

そう思いながらも意外にも冷静な自分。
カーナビのTVをニュースに変え、揺れが治まるのを待ちました。
約3分。もの凄く長く感じました。

揺れが治まった時には自宅の方面へ向かう判断をとっさにしました。
それでも少ししてはまた強く揺れ、治まってはまた揺れの繰り返し。
その都度外の状況や回りの車の動きを見ながら、
ルートを入念に選んで上手く帰ることが出来ました。

近隣に火災が無いことを確認して自宅に入ると、驚きの光景。
生活エリアは冷蔵庫や電子レンジのたぐいが全部定位置よりも飛び出ていて、
台所周りのタイルには亀裂、
押し入れ内も暴れたようで押し入れの扉は全部開いてました。

作業部屋エリアはラックの機材やスピーカーは棚から落ちかけギリギリセーフ。
マーシャルキャビ+ケトナーヘッドの重い機材も30cmぐらい手前に出てたり、
ギターはネックが相当ベンドされたようで全てのギターのチューニングが狂っていました。
CDや楽譜のたぐいは崩れて散乱していました。

何とかライブハウスに連絡を取るとイベント遂行予定ということで、
取りあえず余震が来ても崩れないように応急処置をして向うことに。

しかしもうすでに都内の交通は完全麻痺。
30分程度の距離に三時間掛かり、その後完全に閉じ込められた形になりました。
携帯もほぼ繋がらなくなっていたのですが、
もう出演時間には到底間に合わないだろうと何度も電話を掛けているとやっと繋がり、やはりイベントは中止になったとのこと。
すぐさま引き返しましたがさらに渋滞は進み、帰りは五時間掛かりました。

その後その足で阪神大震災を教訓に備えをしておこうと、
まず給油をし、一晩分の物資や避難用に電池やその他必要な物を買って帰りました。
次の日は水の確保と一週間分の食料確保。
ですがもうすでにスーパーやコンビニでも棚は空っぽ状態に。

そんな時に思ったのは、僕は一人なわけで、
周りを見ると家族連れの人達がほとんど。
だから本当に必要最小限の食料と水を確保してあとは子供がいる家族の人達に譲ろうと思いました。

そういう光景を目の当たりにして、揺れも味わい、
今は余震に余談を許さない状況。
今は節電が最重要で、蛍光灯一本で暖房器具は使わず、
お風呂はローソクの灯りで生活しています。
今日からは最寄りまでは電車は来ませんし、明日からは23区内も計画停電です。

まだまだしょっちゅう揺れていますし、
3日間でマグニチード7クラスの余震が来る確率が70%。
僕の家は埼玉の自衛隊駐屯地からそう遠くないので、
深夜でもヘリがバタバタ飛んでいるのがわかりますし、
救急車消防車はいつもよりはるかに多く出動しています。
原発も怖いです。

東京の人はきっと友人の連絡には「大丈夫!」と答えているでしょうが、
ぶっちゃけもの凄い張りつめてます。
東京など全然マシな地域でもこんな状態です。

東北の被害の多い地域の方々の心情は想像出来ません。
たとえ阪神大震災を経験していたとしてもです。
人はその立場にならないとわからないのです。
それが当然で、それをわかろうと歯がゆくなったりする必要も無いと思います。

何故こんなことを言うかというと、
それは冷めてるとか諦めとかそういうことでなはくて、
今こういう時だからこそそれぞれの地域で自分たちの立場や存在をはき違えないで欲しいと思うからです。
立場は絶対的に違います。ましてや平等でもない。

沢山の亡くなった人がいる中で、
被災した人、被災してない人で平等があるのなら、
命があるということだけ。
ただ生きているということだけです。
でも今はそれすらも確認することが出来ず止め処ない不安に襲われている人が沢山います。

僕が今思うのは、今この国で起きている未曾有の災害に対して、
人がしようとすること、してることに怒ったり嘆いたり責めたりしないで欲しいと願っています。
誰かの起こした行動に賛否を唱えたり、他人の言動に苛立ったり、政府を批判したり。

今は信じるしかないんです。
怒っていいのは現地の災害に遭われた人だけ。
でもその人達はそんな余裕も無いんです。
ただ大切な人の無事を願い、不安に襲われながら祈ることしか出来ないんです。
ただ呆然と立ち尽くすことしか出来ない人も沢山いるのではと…。

被災していない人は、何か出来ないかと思うことは何でも良いと思います。
でも何も出来なくても良いと思います。
誰も責めないし誰も間違ってない。


誰かが善かれと思って起こしたアクションを責めないで。
アクションを起こさない人を責めないで。
泣いたっていいし、わざわざ泣かなくてもいい。
笑顔の人を責めないで。
自分自身を責めないで。

嘆くべきは自然の恐怖で、人は決して無力じゃない。
心をささくれ立てずに平穏に。
隣の人に優しく、その人はそのまた隣の人に優しく。
その繋がりが悲しんでいる人を癒しながらどんどん進んで行って、
この国の一番悲しい所、痛い所に届くように、癒せるように。
そして世界の一番悲しい所、痛い所に届くように、癒せるように。

小さな惑星の小さな国。きっと出来る。


僕も祈りますよ。怖いから(苦笑)

あ、全国の音もだち(お友達 笑)
僕ね、今ほら、節電やからアンプとかの類いで音出せないから。
あと宮城の素敵なギタリストのお友達はもっともっと大変なんだ。
だからアンプで音出せる時は思いっきり弾いて歌って、
楽しい想いを届かせて下さい。
そしたら節電なんて大した苦じゃ無いよ。
自粛される人はそれもまたありがたく受け止めます☆

次のライブで会いましょう!



大塚秀記
by rungaina_hideki | 2011-03-14 04:50 | コラム
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